2025年05月01日
「旅を続けてダマスコに近づいたときのこと、真昼ごろ、突然、天から強い光がわたしの周りを照らしました。わたしは地面に倒れ、『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』と言う声を聞いたのです。 『主よ、あなたはどなたですか』と尋ねると、『わたしは、あなたが迫害しているナザレのイエスである』と答えがありました。一緒にいた人々は、その光は見たのですが、わたしに話しかけた方の声は聞きませんでした。『主よ、どうしたらよいでしょうか』と申しますと、主は、『立ち上がってダマスコへ行け。しなければならないことは、すべてそこで知らされる』と言われました。わたしは、その光の輝きのために目が見えなくなっていましたので、一緒にいた人たちに手を引かれて、ダマスコに入りました。ダマスコにはアナニアという人がいました。律法に従って生活する信仰深い人で、そこに住んでいるすべてのユダヤ人の中で評判の良い人でした。この人がわたしのところに来て、そばに立ってこう言いました。『兄弟サウル、元どおり見えるようになりなさい。』するとそのとき、わたしはその人が見えるようになったのです。 アナニアは言いました。『わたしたちの先祖の神が、あなたをお選びになった。それは、御心を悟らせ、あの正しい方に会わせて、その口からの声を聞かせるためです。あなたは、見聞きしたことについて、すべての人に対してその方の証人となる者だからです。今、何をためらっているのです。立ち上がりなさい。その方の名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい。』」「さて、わたしはエルサレムに帰って来て、神殿で祈っていたとき、我を忘れた状態になり、主にお会いしたのです。主は言われました。『急げ。すぐエルサレムから出て行け。わたしについてあなたが証しすることを、人々が受け入れないからである。』
わたしは申しました。『主よ、わたしが会堂から会堂へと回って、あなたを信じる者を投獄したり、鞭で打ちたたいたりしていたことを、この人々は知っています。 また、あなたの証人ステファノの血が流されたとき、わたしもその場にいてそれに賛成し、彼を殺す者たちの上着の番もしたのです。』 すると、主は言われました。『行け。わたしがあなたを遠く異邦人のために遣わすのだ。』」
パウロの話をここまで聞いた人々は、声を張り上げて言った。「こんな男は、地上から除いてしまえ。生かしてはおけない。」彼らがわめき立てて上着を投げつけ、砂埃を空中にまき散らすほどだったので、千人隊長はパウロを兵営に入れるように命じ、人々がどうしてこれほどパウロに対してわめき立てるのかを知るため、鞭で打ちたたいて調べるようにと言った。パウロを鞭で打つため、その両手を広げて縛ると、パウロはそばに立っていた百人隊長に言った。「ローマ帝国の市民権を持つ者を、裁判にかけずに鞭で打ってもよいのですか。」これを聞いた百人隊長は、千人隊長のところへ行って報告した。「どうなさいますか。あの男はローマ帝国の市民です。」千人隊長はパウロのところへ来て言った。「あなたはローマ帝国の市民なのか。わたしに言いなさい。」パウロは、「そうです」と言った。千人隊長が、「わたしは、多額の金を出してこの市民権を得たのだ」と言うと、パウロは、「わたしは生まれながらローマ帝国の市民です」と言った。そこで、パウロを取り調べようとしていた者たちは、直ちに手を引き、千人隊長もパウロがローマ帝国の市民であること、そして、彼を縛ってしまったことを知って恐ろしくなった。
(新共同訳 使徒言行録22章6~21,22~29)
パウロは、もともとキリストを迫害する敵であり、反対者でありました。キリストは、迫害者のような敵としての存在を見ず、人間パウロ自身の存在、人格そのものの価値を評価しました。キリストの取捨選択は、現在の敵としての存在を見られず、将来のその人の存在価値を見られると感じました。
キリストはサウロ(後のパウロ)に声をかけるときに親しく『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』と言ってサウロの名前を呼んで声をかけられました。
それに対してサウロは『主よ、あなたはどなたですか』とはじめから主よと言って答えました。また『主よ、どうしたらよいでしょうか』と言いました。天から強い光がおおい、天から声をかけられると、誰でも神からの声と感じるのではないかと思いますが、聖なる光と天の声をサウロは聞き、直感的に相手を主なる神だと感じたのだと思いました。
強い光を受けてサウロは目が見えなくなりましたが、主に遣わされたアナニヤより癒しの祈りを受けて目が見えるようになりました。
サウロは3日間目が見えなくなりそしてキリスト者のアナニヤにより癒しの祈りを受けて目が見えるようになった体験は大きな出来事に感じたのではと思いました。
『わたしたちの先祖の神が、あなたをお選びになった。』とありますが、パウロはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神に選ばれました。イエスを信じることはイスラエルの先祖の神に選ばれることだと思います。
ギリシャ語原文訳で
『さてエルサレムへ戻った私に《それは》起こった。そして神域で私が祈っているときに、エクスタシーの中に私が居ることが、また私に《こう》言う彼を見ることが《起こった》。『あなたは急げ、そしてエルサレムから急いで出て行け、私についてのあなたの証しを彼らは受け入れないからだ』。』
さて、わたしはエルサレムに帰って来てとありますが、パウロはアラビヤの荒野及びダマスコにおいて3年が経過した後の様でした。
パウロはキリストに出会ってからしばらく祈りの生活をしていたのではと感じました。
パウロはエルサレムで神の中に恍惚状態でキリストに出会いました。そして『急げ。すぐエルサレムから出て行け。わたしについてあなたが証しすることを、人々が受け入れないからである。』と言う主の言葉を聞き、主の言葉を聞き入れない人々に対してのパウロの伝道する役目が伝えられました。主キリストに直接にお出会いする体験は、パウロをキリストの生命に満ち愛の力に満たされた人に変えたのだと感じました。
ギリシャ語原文訳で
『そしてこの私は言った、『主よ、彼ら自身がよく知っています、この私がユダヤ会堂毎にあなたに信じていた者たちを投獄し、また鞭で打っていたことを。またあなたの証人ステパノの血が注ぎ出されたときも、私自身もそばに立って、そして全く同意して、そして彼(ステパノ)を殺している者たちの上着の番をしていました』すると私に向かって彼は言った『行け、この私が遠く異邦人たちの中へあなたを遣わすのだから』。さてこの言葉まで彼(パウロ)に彼らは聞いていた。しかし《こう》言いながら自分たちの声を上げた、「あなたは片付けよ、地上からこのような者を。彼が生きているのはふさわしくなかったからだ」。また彼らが叫び、そして上着を放り投げ、そして空中に砂ぼこりを散らしていたので、』
パウロは自分がキリスト者を迫害していた過去を主に伝えて、キリストに正直に話し悔い改めました。キリストはパウロを異邦人の地に遣わす大切な役目があることを伝えました。
ユダヤの民衆は、イスラエルの神がそのメシアに関する福音を異邦人に伝えしむるということは、彼らイスラエル人に対する大なる侮辱と感じて、主なるキリストのまことの言葉を受け取れませんでした。
ギリシャ語原文訳で
『千卒長は(中略)鞭打ちによって彼(パウロ)が取り調べられるように言って、それで彼《の手足》を革ひもで彼らが引き伸ばしたとき、パウロは立っている百卒長に向かって言った「ローマ人で、しかも裁判を受けていない人間を鞭で打つことがあなたたちに許されているのか」。(中略)しかしパウロは言った、「しかし私自身は、そのうえ《ローマ市民として》生まれています」。それで直ちに彼(パウロ)から身を引いた、彼を取り知らべようとしている者たちは。そして千卒長も恐れた、彼(パウロ)がローマ人であること、そして彼を縛っていたことを詳しく知って。』
『パウロは千人隊長にとらえられて調べられるとき、そしてむち打ちの刑を受けさせられそうなときに、「ローマ人で、しかも裁判を受けていない人間を鞭で打つことがあなたたちに許されているのか」。「しかし私自身は、そのうえ《ローマ市民として》生まれています」。』
と言ってキリスト者としての知恵と力を使い、男らしく、勇敢に立ち向かい、対応をしました。どんな困難もものともせずに立ち向かい問題を切り抜けるパウロの知恵と力はすごいと感じました。
パウロは神の強い光を受けコンバージョンをし、主キリストに出会い、以前クリスチャンを迫害していた過去を魂から悔い改めました。愛の神、主キリストに従い生きる大きな喜びと神の御心を生きるキリストの福音を伝える神からの使命をまっとうすることに力を注ぎました。キリストのどんな大きな迫害者でも愛なるキリストにお出会いするとコンバージョン回心をして神の愛の生命を受けて、神の導きに生きる大きな喜びを受けるようになるのだと感じました。そして主キリストに出会うことにより、神のしもべとして働くパウロは、聖書に記載されているように神キリストの愛を伝える生きがいのある大きな働きをする人生を成し、キリストの世界伝道を全うするものとなりました。
キリストに出会い導かれる幸せの大きさ、すごさを感じました。
私たちもキリストを信じ、主に導かれて、パウロに倣い、まことに意味のある人生を生きたいと願います。
あなたに主キリストの祝福と恵みが来ることをお祈りいたします。
(参考文献:ギリシャ語聖書対訳テキスト使徒行伝3(改訂版))