2024年03月14日
『わたしたちは、祈りの場所に行く途中、占いの霊に取りつかれている女奴隷に出会った。この女は、占いをして主人たちに多くの利益を得させていた。彼女は、パウロやわたしたちの後ろについて来てこう叫ぶのであった。「この人たちは、いと高き神の僕で、皆さんに救いの道を宣べ伝えているのです。」彼女がこんなことを幾日も繰り返すので、パウロはたまりかねて振り向き、その霊に言った。「イエス・キリストの名によって命じる。この女から出て行け。」すると即座に、霊が彼女から出て行った。ところが、この女の主人たちは、金もうけの望みがなくなってしまったことを知り、パウロとシラスを捕らえ、役人に引き渡すために広場へ引き立てて行った。そして、二人を高官たちに引き渡してこう言った。「この者たちはユダヤ人で、わたしたちの町を混乱させております。ローマ帝国の市民であるわたしたちが受け入れることも、実行することも許されない風習を宣伝しております。」群衆も一緒になって二人を責め立てたので、高官たちは二人の衣服をはぎ取り、「鞭で打て」と命じた。そして、何度も鞭で打ってから二人を牢に投げ込み、看守に厳重に見張るように命じた。この命令を受けた看守は、二人をいちばん奥の牢に入れて、足には木の足枷をはめておいた。真夜中ごろ、パウロとシラスが賛美の歌をうたって神に祈っていると、ほかの囚人たちはこれに聞き入っていた。突然、大地震が起こり、牢の土台が揺れ動いた。
たちまち牢の戸がみな開き、すべての囚人の鎖も外れてしまった。目を覚ました看守は、牢の戸が開いているのを見て、囚人たちが逃げてしまったと思い込み、剣を抜いて自殺しようとした。パウロは大声で叫んだ。「自害してはいけない。わたしたちは皆ここにいる。」看守は、明かりを持って来させて牢の中に飛び込み、パウロとシラスの前に震えながらひれ伏し、二人を外へ連れ出して言った。「先生方、救われるためにはどうすべきでしょうか。」二人は言った。「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。」そして、看守とその家の人たち全部に主の言葉を語った。まだ真夜中であったが、看守は二人を連れて行って打ち傷を洗ってやり、自分も家族の者も皆すぐに洗礼を受けた。この後、二人を自分の家に案内して食事を出し、神を信じる者になったことを家族ともども喜んだ。』
(新共同訳 使徒言行録16章16~34節)
ギリシャ語原文訳で
『さて私たちが祈り《場》に行っているときに、大蛇の霊をもっている或る女奴隷が私たちに出会うということが起こった、彼女は占いをしつつ、自分の主人たちに多くの儲けを提供していた。この女はパウロと私たちにいつも付いてきて、《こう》言いながら叫んでいた、「これらの人たちは、至高の神の僕たちです。あなたたちに救いに道を告げ知らせています。」』とあります。
彼女は、パウロの良い宣伝をしているようで良いことをしているようにもいっけん思えます。聖霊と悪霊はいっけん判別がつかないこともありまして、言っていることは良いように思えます。しかし、聖霊なのか悪霊なのかが、分からなくも感じますが、ちゃんと判別しないと後で大きな問題、トラブルが起こることがあります。
ギリシャ語原文訳で
『それでこのことを彼女は多くの日々行っていた。それでパウロは苛立って、振り返って霊に言った。「お前に命ずる、イエス・キリストの名において、彼女から出ていくことを」。するとちょうどその時、それは出て行った。しかし、彼女の主人たちは、自分たちの儲けの望みが出て行ったのを見て、パウロとシラスを捕まえて広場へ、指導者たちの前に引きずって行った。そして彼らを長官たちの前に連れて来て、言った。「これらの人々は私たちの町を大いにかき乱しています。ユダヤ人たちですから。しかも彼らはローマ人である私たちには受け入れることも行うことも許されていない習慣を告げ知らせています。」すると群衆は彼らに向かって一斉に立ち上がった。そして長官たちは彼ら(パウロとシラス)の上着を引き裂いて、棒で打つことを命じた。』
パウロは生けるキリストの信仰と福音の妨げになるのを防ぐために彼女についている霊に向かい「お前に命ずる、イエス・キリストの名において、彼女から出ていくことを」と言葉を発しました。すると、その霊は出て行きました。
『しかし、彼女の主人たちは、自分たちの儲けの望みが出て行ったのを見て、パウロとシラスを捕まえて広場へ、指導者たちの前に引きずって行った。』とあります。主人たちは奴隷の彼女をお金儲けのために使いました。現在では、人間の人権が守られ、奴隷ということばも人を差別する悪い言葉として理解されます。パウロが彼女についている悪霊を出すことは、彼女の魂にはいいことだと感じますが、彼女の主人たちには金儲けができなくなり困ることであったとのことです。
主キリストはサタンに縛られ苦しむ魂を救い、神の愛の自由な平安を与える方ですが、彼女のように悪霊につかれて商売の道具にされていた彼女はとても不幸であったと感じました。
『そして彼らを長官たちの前に連れて来て、言った。「これらの人々は私たちの町を大いにかき乱しています。ユダヤ人たちですから。しかも彼らはローマ人である私たちには受け入れることも行うことも許されていない習慣を告げ知らせています。」すると群衆は彼らに向かって一斉に立ち上がった。そして長官たちは彼ら(パウロとシラス)の上着を引き裂いて、棒で打つことを命じた。』とあるように、彼女の主人たちは、自分たちの儲けるものが出て行ったので不満に思い、パウロとシラスをとらえて、長官たちの前に告げ口を言い、引き出しました。
群衆も立ち上がり、長官たちは、上着を破りむち打ちを命じました。
神の愛に生きない人たちは本当に残酷だと感じました。
ギリシャ語原文訳で
『また彼らに多くの打撲を加えて、牢獄へ投げ入れた、彼らをしっかりと監視するように獄吏に命じて。彼(獄吏)はこのような命令を受けて、彼らを奥の牢獄に投げ込んだ。そして彼らの足を木《の足かせ》の中で固めた。さて真夜中ごろ、パウロとシラスは祈りながら神を賛美していた。それで囚人たちは彼らに熱心に聞いていた。しかし突然、大きな地震が起こった。その結果、牢獄の土台が揺れることとなった。すると、たちまちにすべての扉が開かれた。そして皆の者たちのかせが緩められた。それで獄吏は目を覚まして、開かれてしまっている獄の扉を見たので、剣を抜いて自分自身を殺そうとしていた、囚人たちが脱走してしまったと思い込んで。しかしパウロは大声で《こう》言いながら叫んだ、「あなた自身に何の害も行なうな、私たち皆はここにいるのだから」。』
パウロとシラスは獄につながれましたが、その中にあっても、祈りながら神を賛美しました。普通であれば獄につながれると苦しみつらく感じるものだと思いますが、キリストを信じるパウロとシラスは獄の中にあっても平安を持ち神を身近に感じて祈りと賛美に満たされておりました。他の囚人たちはパウロとシラスの姿を驚きをもって眺め、彼らの声を熱心に聞いておりました。
主キリストを信じる者は困難と逆境にあっても不思議な平安の中に居られるものだと感じました。
するとその後にそれにこうおうするように突然大きな地震が起きました。獄吏は囚人たちが逃げたと感じました。当時獄吏は囚人を逃がすと囚人と同じ重い刑を受けたそうで、それを恐れて獄吏は死のうとしました。
『しかしパウロは大声で《こう》言いながら叫んだ、「あなた自身に何の害も行うな、私たち皆はここにいるのだから」』。
しかし、パウロやシラスらは獄から逃げませんでした。
キリストを信じる者の行動は普通とは違うものだと感じました。
ギリシャ語原文訳で
『それで彼(獄吏)は明かりを求めて駆け込んだ。そして恐れおののいてパウロとシラスにひれ伏した。そして彼らを外に先導して言った、「ご主人様がた、何を私はすべきでしょうか。私が救われるためには」。それで彼らは言った、「主イエスに信じよ。そうすれば、あなた自身が救われる、またあなたの家族も」。そして彼らは彼(獄吏)に主の言(ロゴス)を語った、彼の家の中の者たち皆にも一緒に。そして夜中のその時刻に彼らを引き取って、彼は打ち傷から洗った。そして彼と彼の《家族》すべては即座にバプテスマされた。そして彼らを家に連れて上がり、食卓を供した。そして彼は全家族と共に神を信じる者となって欣喜雀躍した。』
死のうとした獄吏は、パウロとシラスらの姿を見て、恐れおののきひれ伏しました。そして、獄吏はパウロとシラスの威厳に満ちた姿に、神の救いを感じて、「何を私はすべきでしょうか。私が救われるために。」と神の救いを求めました。
パウロらは自分の敵の様な立場の獄吏にもキリストの福音を説くことを忘れませんでした。
『それで彼らは言った、「主イエスに信じよ。そうすれば、あなた自身が救われる、またあなたの家族も」。』とキリストの福音を伝えました。
『そして彼と彼の《家族》すべては即座にバプテスマされた。そして彼らを家に連れて上がり、食卓を供した。そして彼は全家族と共に神を信じる者となって欣喜雀躍した。』とあるように獄吏や彼の家族は神の信仰を持ち、キリストの愛に満たされて喜びに入り欣喜雀躍しました。
昨日の敵は今日の友といいますが、聖霊と生命に満ちたパウロとシラスの神の愛は求めるものに流れて伝わりました。本当に素晴らしいことだと感じました。
キリスト様は、「敵を愛し迫害するもののために祈れ」と言われましたが、パウロやシラスは敵の様な立場の獄吏をも愛して、キリストの福音を説き、神の救いのわざを成しました。
キリストの神様の愛の大きさはとても広く、深く、大きなものだと感じて神様に感謝いたしました。
キリストの福音のまことは、敵も味方もなく、すべてが同じ兄弟であり、互いの愛し合う福音だと感じました。
主の愛と恵みがあなたにも導かれますように祈ります。
(参考文献:ギリシャ語聖書対訳テキスト使徒行伝2(改訂版))